もの忘れ外来

もの忘れとは

もの忘れには、「病的なもの」と「加齢に伴う記憶力低下による生理的なもの」があります。
病的なもの忘れを放置すると、進行して認知症に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。
ただ、認知症は治療によって、症状緩和や進行遅延を期待できます。
だからこそ「認知症かもしれない」と感じた際には早めの診断が大切です。

認知症の定義として「通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、施行、見当識、理解、計算、言語、判断等多数の高次脳機能の障害からなる症候群」とされています。

脳の働きは脳の神経細胞の活動がもとになっています。脳神経細胞の中でも知覚や運動を司る神経細胞の他、人では記憶や学習、判断をする神経細胞が発達して脳を形作っています。この神経細胞が障害されると、記憶力や判断力、理解力などがどんどん低下していきます。障害の程度がある限度を越えると認知症となってしまいます。

細胞の老化によっても神経細胞の働きは落ちます。その結果として物覚えが悪くなったり、判断力が衰えたりはしますが、病気によって起きる認知症とは違います。老化による障害は衰えがゆるやかで、記憶障害も軽いところで止まっています。日常の生活に大きな支障が出ることはありません。ところが、認知症による物忘れは進行性で、今言ったこと、今したことさえすぐに忘れています。
その結果として日常生活に支障が出てくるのです。

症状と特徴

単なる物忘れ(生理的もの忘れ)と認知症による記憶障害は、性質や特徴が異なります。

生理的もの忘れの特徴

  • 進行的に病状が悪化しない。
  • 体験した出来事の一部は思い出せないけど、体験そのものが忘れ去られることがない
  • とっさに名前が思い出せないけど後になって思い出すことができる。

認知症によるもの忘れの特徴

  • 体験そのものを忘れる
    認知症の場合「体験したことそのもの」を忘れてしまいます。「電話の内容ではなく、電話をしていたことを忘れている」「昼食を取ったのに、まだ食べていないと思っている」など起こったことを忘れてしまいます。
  • 日常的にしていることでミスが続く
    普段からしている家事や趣味などでミスが続く場合、認知機能が低下している可能性があります。「水を出しっぱなしにする」「料理の手順が分からなくなる」といった症状があります。
  • 遅刻が多くなる
    遅刻が増えることも見当識障害の症状の1つです。時間や場所に関する見当識が低下すると、他にも「道を間違えやすくなる」などの症状が現れます。
  • 性格が変わる
    認知症の影響で「怒りやすくなる」「自分のミスを認めなくなる」「ふさぎこむようになる」など、以前と性格が変わったと感じることがあります。
  • 妄想や幻覚が見られる
    本人にとってはまるで現実のように感じられるため、否定されるとさらに混乱してしまいます。認知症の種類によっては、妄想や幻覚も症状の1つです。

種類

認知症にはいくつかの種類がありますが、主なものとして、アルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが挙げられます。このうち約60%はアルツハイマー型認知症が原因で、約20%は脳血管型認知症によるものとされています。

アルツハイマー型認知症

異常なタンパク質が脳の神経細胞に蓄積して神経細胞を破壊し、脳が委縮することで発症する。
親しい人を忘れるなどの記憶障害やここがどこか、今いつなのか分からない見当識障害などの症状が起こる。

レビー小体型認知症

レビー小体という異常なタンパクが大脳皮質や脳幹に蓄積しやすく、神経細胞を破壊することで、神経をうまく伝えられず発症する。例えば「いるはずのない子供が家の中にいる」などのはっきりとした幻視やパーキンソン病のような症状が出る。

脳血管性認知症

脳梗塞や脳出血などで血管が詰まったり出血することにより、脳の細胞に酸素が送られなくなり神経細胞が死んでしまうことで認知症が発症する。もの忘れなどがあっても判断力の低下はみられないなどの、症状がまだらに現れる。

前頭側頭型認知症

前頭葉と側頭葉の萎縮により発症する。特徴として、人格が変わる、反社会的行動(万引き、無銭飲食など)などを起こす。前頭側頭型認知症は記憶障害が目立つ。

もの忘れ外来で行っている主な検査

認知機能検査

認知症の認識脳障害を評価するのにMMSE(Mini Mental State Examination)という国際的にも広く使われている評価尺度があり、認知症になると低下すると言われている記憶力、計算力、言語力、見当識(現在の日時や、自分がどこにいるかなどの状況把握力)の程度を、11問の質問形式で解いてもらいます。
それらの能力を点数化することにより、認知機能を評価することができます。

CT検査

脳の萎縮の確認や脳梗塞、脳腫瘍、血種などの脳の病気と認知症との区別判断をするために画像検査を行います。

治療方法

認知症は早期発見と早期治療がとても重要です。
認知症の中には、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などのように、外科的な処置によって症状が改善するものもありますし、甲状腺ホルモンの異常によって起こっている場合は、内科的な対応で治療できます。
アルツハイマー型認知症の場合も、発症の早期から薬物療法を行うことで進行を遅らせることができるので、もの忘れの症状が出た場合は早めにもの忘れ外来へ受診して下さい。

薬物治療

神経伝達物質や脳内の物質に作用する薬を服用する方法です。薬剤にはいくつかの種類がありますが、適応できる認知症の種類は基本的に「アルツハイマー型認知症」と「レビー小体型認知症」に限られます。
その他付随する症状に合わせて漢方薬など対症療法していきます。

非薬物治療

日常的にできるリハビリテーションやアクティビティなどで改善を目指す方法です。
認知症の予防効果も期待できます。
例えば次のようなものがあります。

  • 認知機能リハビリテーション
  • 生活リハビリテーション
  • 園芸療法
  • 回想法
  • ペット療法
  • 音楽療法 
  • ピロリ菌と、胃炎・胃がんの関係とは

    胃炎は慢性的に起こる炎症ですが、胃の細胞が刺激されて変性が起きると、がんが発生します。
    慢性胃炎の原因のひとつに「ピロリ菌が関与している」と考えられており、ピロリ菌を除菌することが胃がん予防につながります。

  • ピロリ菌の感染経路とは

    上下水道が整備されていない時代に、井戸水や沢の水を飲んだことがある方に、ピロリ菌の感染が多くみられます。今でも井戸水を使用している家庭や、旅行先で井戸水を飲む機会がある方は注意が必要です。

    大人になってからの食生活で感染することはほとんどありません。免疫機能が低い乳幼児期に、親からの口移しや、ピロリ菌に感染した手で食べ物を触り、それが口に入った場合などに感染することがあると言われています。

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