その他大腸、肛門疾患

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)6.11型の接触によるウイルス性の「性行為感染症(STD)」の 一つで、主に生殖器や肛門周囲に疣贅(いぼ)ができる病気です。

症状と特徴

肛門周囲や肛門粘膜、性器周囲などにカリフラワー状の特徴的なイボが多数できます。
感染してから数週間から数ヵ月ほどたってから症状がでる潜伏期間の長い病気です。
痛みやかゆみなどの症状が少ないため、気づきにくいことがあります。
イボが大きくなると異物感やこすれたりすることで血が出ることもあります。
主な感染経路は性行為によるものですが、性行為でなくても皮膚の粘膜にできた傷などからも感染することがあります。

治療方法

症状の軽いものであれば軟膏での治療で治癒することもあります。
外科的治療として、イボの切除、液体窒素を使用した凍結療法、レーザー治療などがあります。
小さなものであれば外来で局所麻酔での切除が可能です。
数が多い、大きいもの、範囲が広い、肛門内に出来たものなどは、腰椎麻酔をしてしっかり切除します。
ただイボを取り除いてもウイルスが潜んでいることもあり、再発することもあります。
再発のリスクが比較的高い疾患ですので、慎重な経過観察が必要となります。

臀部膿皮症

肛門の周りや臀部など広い範囲にしこり、腫れ、膿などを認め、 細菌感染によって繰り返し起こる慢性の炎症です。

症状と特徴

主に細菌の感染で皮膚が化膿してしまう病気です。
痛み、腫れ、化膿を繰り返し引き起こし、皮膚が黒く色素沈着を起こし臀部から大腿の後面などに広がっていく慢性炎症です。
皮膚の感染場所によって毛嚢性膿皮症、汗腺性膿皮症、その他の膿皮症の三つに分類されます。
極めて稀ですが皮膚がんが発生することもあります。

 

治療方法

膿が溜まった状態の急性期には、切開して膿を出す処置を行います。
根本的な治療にはしこりや瘢痕などの病巣がある皮膚を大きく切除します。
切除する範囲が広くなった場合は、皮膚移植が必要になる場合があります。

毛巣瘻

毛巣瘻とは仙骨部や尾骨付近の皮膚の中に毛髪を含む袋状のしこりができる病気です。 細菌感染が起こりやすいので、痛み、腫れる、膿が溜まるなど症状を起こすことがあります。

症状と特徴

毛巣瘻の原因ははっきりはしていませんが、先天性説(生まれつき)と後天性説(生まれた後にできる)があります。
男性に多いのが特徴で、女性は稀にしか起こりません。
毛深くて肥満な人、長時間座っていることが多い人や若年層に多いことでも知られています。仙骨尾骨部の痛み、腫れ、しこり、化膿という症状があり、肛門周囲膿瘍や痔瘻などと間違えられることもあります。

治療方法

外科的切除での根治術が必要となります。
感染を起こして膿が溜まっている状態であれば、まず切開排膿を行います。
炎症が治まったところで病変部であるしこりを取り除きます。

肛門周囲皮膚炎

肛門の周りや臀部付近の皮膚に炎症が起こり、赤くただれたり、痛み、痒みなどが発症した状態です。

症状と特徴

頻回の下痢、シャワートイレの長時間使用、長時間のドライブ、多量の汗などが原因で肛門周囲に炎症がおきます。
そのただれた場所に白癬菌やカンジダ菌(カビなど)などの感染が加わると炎症がよりひどくなります。
女性では、膣炎や生理など、乳児、幼児では便の処理が不十分だったり、自分で肛門がうまく拭けずに便が付着していることがきっかけで炎症を起こします。

治療方法

肛門の周りを清潔にすることが大切です。
排便後は紙でゴシゴシ拭くことはやめて、シャワートイレで洗います。(洗いすぎると余計に症状がひどくなります。)
アルコール成分の含まれている洗浄綿なども刺激を与えてしまうので使用しないよう注意が必要です。
また、アルコールや辛い物、香辛料など刺激が強いものの摂取を控えて下痢にならないようにします。
予防に加えて、症状がひどいときには原因となる病状や疾患に対して軟膏や内服薬での治療を行います。

大腸ポリープ

大腸ポリープとは、大腸の粘膜の一部がイボ状に隆起しているものを指します。
ポリープはその構造(組織)によって腫瘍性と非腫瘍性に分類します。
腺腫、過形成性ポリープ、過誤腫、炎症性ポリープなど様々な種類があります。
大腸がんになる可能性があるものは腫瘍性ポリープである「腺腫」です。大腸がんは、腺腫から癌になる場合と、正常な粘膜から一気に癌になる場合があります。
症状はほぼないため、健診や大腸検査で発見されることがほとんどです。
大腸内視鏡でポリープが発見された場合は、基本的には内視鏡での切除を行います。

大腸がん

お尻からの出血や血便、体重減少、便が細くなるなどの症状があります。
出血や血便があるので痔と間違えやすい病気です。
大腸は部位ごとに盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分けられます。
大腸がんは、これらの部位のうちいずれかに発生した癌のことを言います。
日本ではS状結腸がん、直腸がんが多くみられるとされています。
大腸がんの発生は、良性のポリープから発生するものや正常な大腸粘膜から直接発生するものなどがあります。
大腸がんは粘膜から発生して徐々に深く広く進行していきます。
癌が大きくなると、がん細胞がリンパ液や血液の流れにのって周辺のリンパ節や肝臓や肺など
ほかの臓器に転移を起こします。
内視鏡切除、手術、抗がん剤、放射線治療などの専門的な治療が必要です。

炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患(IBD)とは広範囲に炎症が起こるびまん性の腸疾患で、厚生労働省の特定疾患に指定されています。
代表的な疾患として知られているのが「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」で、いずれも難治性で完解・再燃を繰り返しながら慢性に経過する疾患です。
原因や詳細なメカニズムはわかっていませんが、遺伝的な素因に食べ物や感染などの環境要因が関与することで、免疫機構に異常が起こり、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまい炎症を引き起こすと考えられています。
どちらも比較的若い方に発症しやすいと言われています。
主な症状としては、下痢や血便(粘血便)、腹痛などで、重症になると発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。

潰瘍性大腸炎(UC)

大腸の粘膜に潰瘍やびらんなどの炎症が起こり、直腸から連続的に口側方向に炎症が広がっていきます。
基本的に大腸に限局した病変で、炎症の広がり方によって、「直腸炎型」、「左側大腸炎型」、「全大腸炎型」などに分類されます。
また、腸管外合併症として口内炎、皮膚症状、結膜炎などの眼症状、関節炎、肝機能障害などが起こることがあります。
治療の目標としては、炎症の治まっている寛解期を維持させて再燃を防ぐことです。男女差はほとんどなく、幅広い世代に発症しますが、若年層の発症が多いとされています。

クローン病

口腔から肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも非連続性に炎症をきたす病気です。
「小腸型」、「小腸・大腸型」、「大腸型」の3つに分類されていて、病変ができやすい部位は小腸・大腸(特に回盲部)や肛門・肛門周囲です。
特徴的な腸管の所見として、口内炎みたいな浅い潰瘍(アフタ)や縦方向にできた潰瘍(縦走潰瘍)、潰瘍のまわりの粘膜が盛り上がって見えて石を敷いたような状態(敷石像)、円型や線型など形が様々な潰瘍(不整形潰瘍)などがみられます。また、特徴的な肛門病変として、裂肛、cavitating ulcer (肛門管から下部直腸に生じる深く幅の広い有痛性潰瘍) 、難治性痔瘻、 肛門周囲膿瘍、edematous skin tag (浮腫状皮垂) 、肛門狭窄などを認めます。
クローン病も潰瘍性大腸炎と同じで若年層に多く、男女比は2対1で男性に多い傾向があります。

虚血性腸炎

虚血性大腸炎が起こる原因は、大腸の血流(血の巡り)が悪くなることで腹痛や嘔吐、血便などが現れる病気です。

ご高齢の方に多く見られ、主に左側大腸に好発します。(大腸に分布する血管走行の影響)
高血圧・高脂血症・糖尿病などの病気があると動脈硬化が起こり血流が悪くなる原因となります。
脱水も虚血性大腸炎を発症する危険性を高めると考えられています。
虚血性大腸炎は重症度に応じて3つに分類します。

一過性型:粘膜、粘膜下層までの浅い層に炎症がとどまる 
狭窄型 :粘膜下層にまで炎症が及び、その後に線維化が起きて腸が狭くなる 
壊死型 :腸が壊死して穴が空いたりする

この重症度によって治療方法が異なります。
一過性型と狭窄型は保存的治療での治療を行います。(狭窄が強くなった場合は手術治療も考慮します)
一方で、壊死型は一過性型と狭窄型に比べて極めて重い状態で緊急手術による治療が必要となります。

感染性胃腸炎

感染性腸炎は病原体が腸管に感染して発症する病気です。
病原体には細菌、ウイルス、真菌、原虫、寄生虫などさまざまな種類があります。
一般的には、夏季には細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多く発生します。
下痢、発熱、腹痛、悪心、嘔吐などの胃腸炎症状がみられることが多く、とくに下痢はほぼ必発です。
細菌性の腸炎では血便が見られることもあります。
原因としては、同症状の人やペットとの接触、食歴(生ものや汚染された水など)、最近の旅行歴(特に発展途上国)、最近の抗菌薬使用歴、基礎疾患などが感染を疑う大事な情報となります。
感染性腸炎は一般的には自然治癒傾向が強いため、治療の原則は対症療法です。
抗菌薬は必要ないことが多いですが、原因菌や重症度によっては使用することがあります。
下痢止めは停滞時間を延長し、毒素の吸収を助長する可能性があり原則的には使用しないように注意が必要です。

心と心の通った地域診療を

内科、外科、耳鼻科、整形外科、泌尿器科と診療科目を有し、
地域の皆様と共に疾病の早期発見・早期治療を目指してまいります

tel_bnr.png

staff staff blog