脳梗塞

はじめに

日本人の死亡原因の第4位が脳の血管の病気である脳卒中(脳血管障害/脳梗塞)なのですが、その多くが脳梗塞です。
かつて脳卒中の大部分は“脳出血”が占めていましたが、近年は逆転し“脳梗塞”が上回るようになりました。
その理由として、高血圧対策の普及と生活習慣の変化による糖尿病や脂質異常症の増加が考えられます。
脳梗塞とは、脳を栄養する血管の血液の流れが止まってしまい、必要な血液を得られない箇所の細胞が死んでしまうことです。
脳の細胞はほとんど再生しないので、脳梗塞で失われた機能は取り戻せません。
ですから、脳梗塞をいったん発病すると、たとえ命が助かったとしても、多くの場合、麻痺などの後遺症が残ってしまいます。

また、一時的に血管が詰まる一過性脳虚血発作(TIA)は、24時間以内に完全に元の状態に戻るため後遺症を残すことがなく、脳梗塞とは区別されます。しかし、TIAは脳梗塞の前触れ発作ともいわれ、たとえ完全に元に戻ったとしても直ちに原因を明らかにし、脳梗塞への移行を阻止すべき病気です。

原因と特徴


  • 血管の詰まり方によって、脳梗塞は大きく3つのタイプに分類されます。

  • アテローム血栓性脳梗塞(首や脳の比較的太い動脈詰まります。)

    太さのある血管が動脈硬化を起こすことで発症します。
    血管内でコレステロールが固まることを『アテローム硬化』といい、それが原因で血液の通り道が狭くなると血液の流れがスムーズでなくなってしまい血栓ができたりすることで血栓ができやすくなり、脳の血管を塞いで脳梗塞を引きおこします。

  • ラクナ梗塞(脳の細い血管が詰まることによる、小さな脳梗塞です。) 
    脳の深い場所に発生する直径15mm以下の小さな脳梗塞のことです。
    脳の奥には、太い血管から枝分かれした穿通枝と呼ばれる細い血管があります。
    この穿通枝に動脈硬化が起こったり、血栓ができて脳梗塞を発症します。
  • 心原性脳塞栓

    心臓の中でできた血栓が血液を通して脳へ運ばれ、脳動脈を詰まらせる脳梗塞のことです。60歳以上の人に発症しやすいとされています。
    心房細動などの不整脈や心臓に人工弁がある方などに血栓ができやすいです。
    脳梗塞の15~20%がこの心原性脳梗塞といわれています。
    心原性脳梗塞は前ぶれもなく突然発症することと梗塞範囲が広いことが特徴で、命に関わる危険な脳梗塞です。

治療方法

薬物治療

脳梗塞が起こってから、出来るだけ早くに治療を開始することが重要です。
発症してから4.5時間以内であれば、t-PAという血栓を溶かす薬(血栓溶解薬)の使用が可能な場合があります
       
※ 原因や状況によっては手術やカテーテル治療も検討されます。

  • 抗血小板薬、抗凝固薬:血液を固まりにくくして、それ以上の悪化を予防する
  • 血栓溶解薬:血栓を溶かす
  • その他:脳保護薬を使用することもある

◆再発予防のための治療
喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの脳梗塞の危険因子となる生活習慣や病気や治療を行います。 アテローム血栓性脳塞栓とラクナ梗塞に対しては抗血小板薬を使用して血液をサラサラにして血管を詰まりにくくさせます。心房細動に対しては抗凝固薬を使用して心臓内でできてしまう血栓を作らせないようにします。

外科治療

再発を予防のための治療

◆カテーテル治療、手術

  • CAS(頚動脈ステント留置術):足の付け根の血管からカテーテルを入れて、首の血管を広げる治療法です。
  • CEA(頚動脈内膜剥離術):首の血管に溜まったアテロームを取り除く治療法です。
  • バイパス手術:頭の表面の血管を脳の血管につないで、血流を増やす手術です。

理学療法

治療ガイドラインでは、発症直後からのリハビリが推奨されています。
リハビリは3つの時期に分けて進めます。急性期のリハビリは、発症時に入院した病院で行います。
回復期にはリハビリを行う場所は、リハビリテーション専門の病院や病床です。
その後は、維持期になり自宅や施設に戻りリハビリを行います。

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